第5話:スマートフォン・タブレット端末

日々、新たな機種が発表され市場へと送り出されているスマートフォン(スマホ)やタブレット。
もっとも技術革新が著しいこの情報端末が、「めっき」と深い関係があることはこれまでのお話から感じていただけたでしょう。
今回からは少し具体的な話をさせていただき、特に外観からは見えない部分の「めっき」を見てみましょう。

スマホの中身を覗いてみよう!!

限られたスペースに機能がギッシリ

いつも身近にあるスマホですが、その中身を覗いてみたことのある方はほとんどいないでしょう。では、動画をクリックしてみてください。

中を見ると、電池(バッテリー)が大きなスペースを占めていることがわかりますね。省電力化が進んでいるとはいえ、高機能化に伴いスマホは多くの電気を消費するので、バッテリーはどうしても大きくなるのです。それに比べ、他の部品が想像以上に小さい気がしませんか。軽量化、省スペースが進み、どの部品も超小型になっています。また、タブレットもスマホとほぼ同じ機器構成でできています。

このように小さなスペースに機能を凝縮できるようになった背景には、「めっき」の貢献がとても大きいのです。配線や電子部品の接続などは「めっき」が多く使用され、使用されている電子部品自体も「めっき」の技術でできています。

制御のすべてを集約した基板 メイン基板

さまざまな関連する部品(パーツ)を受け止める

スマートフォン・タブレット端末の中身で、一番に目に付くのがメイン基板です。制御部品、電子部品、ユニットはすべて、この基板につながり制御されています。この基板をよくご覧いただくと、細かな線のようなもの(茶色の線)があるのがわかるでしょう。この茶色の線は銅配線と呼ばれ、「銅めっき」により作られた電線のようなもので、すべて電気的な配線の役割を果たしています。

銅配線は、小型化、高機能化が進むと線の幅が細くなり、線と線の間も狭くする必要があり、より精密な配線、すなわち、より精密な「めっき」の技術が必要になります。

情報処理の中心 CPU

まさにスマホの頭脳です

スマホやタブレットの製品説明を見ると必ず「CPU:○○○○○ ○○Hz」など記載されています。それを基準に購入される方も多いでしょう。

そのCPU(Central Processing Unit)にも、多くの部分で「めっき」が使われています。CPU内での配線(回路形成)が主な使用範囲です。CPU内の配線は極めて精密で、肉眼では分からないレベルの配線を行う必要があり、その製作には高度な技術が必要となります。

また、CPUのコア(回路のある中心)部分は、シリコンの塊でできていてシリコン上に回路が作られていますが、そのシリコン部分の回路とメイン基板などへの接続にも「めっき」の技術が使われています。

活躍場所は他にもいっぱい!

上記の他、スマートフォン・タブレット端末には、多くのところで「めっき」が使われて、さまざまな用途で活躍しています。その一例をご紹介します。

外部機器との窓口:コネクタ

コネクタは、外部機器とのデータのやり取りをするためのケーブル差込口です。電気信号のやり取りを行うため、確実に通電させる必要があります。また、常時抜き差しされるので耐久性も要求されます。コネクタの種類や形状、用途によって、さまざまな「めっき」が使用されています。見た目の良さも加味して、「金めっき」が使われる場合もあります。

回路の必需品:チップ抵抗、チップコンデンサ

基板などの上を見ると角ばった小さな枕のようなものが、いくつも並んでいます。これは、チップ抵抗やチップコンデンサである場合が多いです。
基板上で電流の調整や整流作用などを行う為に、欠かすことができない部品です。
両サイドの色が違いますが、この部分が電気的接点部分でプリント基板などの回路との接続を行う部分です。そして、この部分には「めっき」によって作られます。
装置の小型化に伴い、チップ抵抗・チップコンデンサ自体1mmにも満たない大きさのものもあり、特殊なめっきをするための装置を使用して「めっき」を行います。

「めっき」モデル紹介(PWB/PKG 編)

これまでお話してきましたように「めっき」を使うことで様々なものに新たな機能・性能や用途を与えることができますが、ここでは様々な「めっき」を駆使して作られるものの、流れが分かりやすいようにモデル化してご紹介いたします。
今回は、PWB/PKGの製造をモデル化しました。

配線をつくる工程

①下地をつくる(無電解銅めっき)
電気銅で配線を作りますが、電気を通すためには金属が必要。
そのために下地として最初に無電解銅めっきを行います。

②配線をつくる(電気銅めっき)
下地の上に電気銅めっきで配線をつくります。

最終表面処理

③バリア層をつくる(無電解ニッケルめっき)
銅めっきの表面に直接金めっきを行うと金めっきの拡散防止や「めっき」の強度を得る目的も果たしています。

④防錆層をつくる(無電解金めっき[フラッシュ金めっき])
表面に酸化膜ができると他の電子部品との接続ができにくくなるので最終的に金めっきを行い表面の酸化を防止します。金めっき自体は極々薄い膜です[フラッシュ金めっき]

※PWB : Printed Wired Board プリント基板のこと / PKG : Package 総称として電子部品のことをあらわす。

スマートフォントと「めっき」の信頼性

日常欠かすことのできないツールとなったスマートフォンですが、その信頼性がより重要であることは容易に分かります。携帯できるものだけに、落としたり、ぶつかったりと衝撃を受ける場面が多く、その衝撃で電子部品の取り付けが外れたり、断線したのでは、使用することが直ぐにできなくなります。

そのスマートフォンの中に多く使われている「めっき」技術は、その信頼性においても使用されるべきしてされております。