トップメッセージ

株主・投資家の皆さまへ 代表取締役社長 上村 寛也 株主・投資家の皆さまへ 代表取締役社長 上村 寛也

皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

当社グループ第96期報告書(2023年4月1日から2024年3月31日まで)をお届けするにあたり、ひとことご挨拶申しあげます。

当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症も5類感染症へ移行し、社会・経済活動の正常化に向けて緩やかな回復基調で推移する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、世界的な資源価格の高騰、円安による物価の上昇等により、日本の景気の先行きは不透明な状況が続きました。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場におきましては、自動車向けは生産台数の回復や電気自動車(EV)の普及を受けて堅調に推移しましたが、パソコン、スマートフォン需要の落ち込みに加え、データセンター市場の成長が鈍化した影響により、全体としては厳しい市場環境となりました。

この結果、当期の連結業績はカーエレクトロニクス向け薬品が堅調に推移し、半導体や電子部品向け表面処理用機械の需要も好調を維持したものの、主力のパッケージ関連薬品において、データセンター向けサーバー市場における投資抑制とパソコンやスマートフォンの販売台数の落ち込みによる在庫調整の影響を受け、前年度実績に対しまして、売上高、営業利益が下回る結果となりました。

今後の我が国経済環境の見通しといたしましては、海外での紛争拡大や欧米のインフレによる景気減速など、引き続き不透明な状況が続くと予想されております。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場では、カーエレクトロニクス分野において、電動化・自動化への進化に伴い車載用の電子部品点数が今後も更に増加すると思われます。また、データセンター向けの需要は、AIの普及による旺盛な設備投資も含めて早期の回復を期待しております。

このような状況の下、当社グループは引き続き、想定外の事態にも柔軟に対応し、グループの総合力を最大限に活用しつつ、迅速な対応が出来る体制づくりを進めるとともに、現場主義に徹した二十一世紀に成長し続ける企業を目指してまいります。

皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう心からお願い申しあげます。

2024年6月