私たちの生活は、エレクトロニクス技術の飛躍的な進歩により、非常に便利で快適なものになりました。
あまり知られていませんが、こうした日常生活を支えている様々な製品にめっきが使われ、広く活躍しています。
このコーナーでは、身の回りにあるものを通して、ウエムラのめっき技術をご紹介します。

どんな所にめっきが使われているの?

Computer コンピューター
  • 無電解銅めっき
  • 電気銅めっき

基板の配線パターン、集積回路(IC)や半導体パッケージ基板の回路形成

  • 無電解ニッケルめっき

ハードディスク部品および磁性膜下地

  • 無電解ニッケル
  • 金めっき
  • 無電解ニッケル
  • パラジウム
  • 金めっき

電子回路の最終表面処理、MPU・グラフィックチップ等の半導体、パッケージの接合部、キーパッド、電池や充電器のソケット、コネクター部

パソコンに使用されるマザーボード、マイクロプロセッサ(MPU)、ハードディスクドライブ(HDD)、サウンドカード…。その進化に欠かせないのがめっきに代表される表面処理の技術です。
パソコンもマルチメディア化し、それぞれの電子部品に求められる特性も様々です。それに伴い、特性の決め手となる最終表面処理技術はますます重要な技術になっています。

Smart Device スマートデバイス
  • 無電解銅めっき
  • 電気銅めっき

基板の配線パターン、ICバンプ、ビアホール、スルホール

  • 電気金めっき

電池や充電器のソケット、コネクター端子

  • 無電解ニッケル
  • 金めっき
  • 無電解ニッケル
  • パラジウム
  • 金めっき

回路の最終表面処理

  • 電気錫めっき

チップ部品

急速に普及したスマートデバイスですが、その背景にはタッチパネル技術や、優れたOSの搭載、長時間稼働させるためのバッテリー技術といった様々な技術進歩が必要でした。そのため、スマートデバイスには高性能な電子部品がたくさん搭載されています。
めっきはこれらの電子部品がその機能を十分に発揮するための接続技術として、基板の配線パターン回路の最終表面処理などに使用されています。

AutoMobile 自動車
  • 電気亜鉛めっき
  • 電気クロムめっき
  • 電気ニッケルめっき
  • 無電解ニッケルめっき

フロントグリル、ブレーキ、エンジン内のピストンリングやシャフト、車内のパネル部分の装飾部分

  • 無電解ニッケル
  • 金めっき
  • 無電解ニッケル
  • パラジウム
  • 金めっき

エンジン制御機器、インバーター用の半導体IGBT、車載用プリント基板の最終表面処理

  • 無電解ニッケル
  • PTFE複合鍍金

ギア、ベアリング、ワッシャーなど

自動車ほどめっきが使われている製品は他にはないでしょう。例えばモーターの電力を変換するための「インバーター用の半導体IGBT」や、自動運転車の「センサー部品」、エンジン周辺のボルトにもめっきが使われています。
防錆性、耐摩耗性、装飾性、電気伝導性といっためっきのもつ機能が最大限に活かされている分野と言えるでしょう。

Led Led
  • 電気銀めっき

反射板、リードフレーム、コネクター端子

  • 無電解ニッケル
  • 金めっき
  • 無電解ニッケル
  • パラジウム
  • 金めっき

基板部分の最終表面処理

LEDには光源となる素子の他に基板や電極、リードフレーム、反射板等といった部品が詰まっています。 めっきはこれらの部品に対して、電気伝導や光反射率の向上のために用いられています。めっきの良し悪しが輝度に大きく影響する為、長時間使用しても劣化しない輝度を得るため、表面処理工程に高い技術力が要求される分野です。

HomeElectronics ホームエレクトロニクス
  • 無電解銅めっき
  • 電気銅めっき

家電本体やリモコンの基板、半導体パッケージの回路形成

  • 無電解ニッケル
  • 金めっき
  • 無電解ニッケル
  • パラジウム
  • 金めっき

回路の最終表面処理

  • その他

チップ部品、装飾部品、防食部品、機械部品など

家電製品には多くの半導体チップやインバーターと言われる電子部品が搭載されています。
また家電とネットワークをつなげるIoT技術も進展しており、小型で精密、高性能な電子部品の多くにめっきが使われています。
めっきの持つ装飾や防錆のための技術というイメージは現代社会では大きく変貌し、ハイテク産業に欠かせない技術となっています。

上村工業の特長

三位一体

めっき薬品の開発だけでなく、めっき機械設備の開発、そして薬液の管理を行うめっき管理装置の開発も自社で手掛けています。さらにめっき加工の子会社を所有し、あらゆるノウハウを蓄積していることも特徴です。
これらの総合技術力で顧客のニーズに100%応えることができる。それこそが上村工業の最大の特徴です。

業界初

めっき業界では、世界で初めて設立された中央研究所。高度な分析を可能にする分析装置、国内随一の専門資料などを揃え、世界屈指の学術的研究機関として活躍しています。
1996年には「無電解めっきによるハードディスク下地層形成技術の開発」で、科学技術庁長官賞を受賞しています。

技術集約型企業

約350人の社員の中で研究者、技術系の従業員を合わせると約4分の1が技術支援業務に携わっていることになります。国外にも米国、台湾、マレーシアに研究機関を構え、グローバルな体制で研究・開発を推進。
人材だけでなく、設備、環境、情報など、あらゆる面から研究開発部門の充実を図っています。

世界標準

ITハイテク分野で世界のスタンダードを創るような企業と組んで研究開発をすすめていることが上村工業のひそかな自慢です。表面処理技術のエキスパートという立場で開発の段階からアドバイスを求められることも少なくありません。
めっきはニッチな分野ですが、上村工業はめっき業界の世界標準企業だと自負しています。

環境保全の技術開発

従来、各種電子機器の配線や部品の接続部には、スズと鉛の合金である「はんだ」が使用されてきましたが「はんだ」に含まれる鉛は土壌汚染など、環境に悪影響を与える点が問題になっていました。 そこで上村工業では、鉛を使わない「はんだ」めっき液を開発しました。 今後も環境問題に配慮した製品開発に取り組んでいきます。

※2002年にISO14001を取得。企業活動を通して地球環境の保全に貢献していきます。