QMS2(Highspeed typed)QMS1(High resolution typed)Load cellTriggercircuitGetterpumplonpumpTMPRPDigitaloscilloscopeUHV chamberHigh speedmicroscopeSpecimenQMS 2QMS 1PC200μm200μm200μm21042032102107051015891011LoadQMS1QMS2M/e=2H-chargedTime(t/s)Time(t/s)(a)(b)(c)Load(F/kN)Ion current (//10-9A)Load(F/kN)Ion current(//10-9A)(a)(b)(c)4.5銀デコレーション法(SilverDecorationmethod:SD)13)ジシアン化カリウム水溶液をデコレーション液として用い、水素が添加された試料をデコレーション液に浸漬し、試料から放出される水素により水溶液中の銀イオンを試料表面に還元析出させて、水素の存在位置を銀粒子として識別する方法。4.6水素マイクロプリント法(HydrogenMicroprintTechnique:HMT)14,15)臭化銀乳剤を試料表面に被覆し、試料表面から放出される水素と乳剤中の臭化銀との化学反応(Ag++H→H+Ag+)を用いて、水素放出箇所を銀粒子として識別する方法。5変形・破壊時の水素放出の動的検出16,17)1995年に菅野らによって開発された質量分析計付き超高真空材料試験装置16)をもとに、著者が高速度マイクロスコープを組み合わせて構成した装置の模式図17)を図1に示す。この装置は、ターボ分子ポンプ、スパッタイオンポンプ、ロータリーポンプを直列に接続された超高真空チャンバーに、油圧式材料試験装置、四重極質量分析計、高速度マイクロスコープを組み合わせた装置であり、水素分圧を低減した超高真空環境(10-8Pa)で材料試験を行いながら、材料の変形や破壊時に放出される水素を質量分析計で動的に検出することを可能にしたものである。図1の装置を用いて、水素脆性が生じる際の粒界亀裂の伝播に対応した水素放出の動的検出ができることを著者らは明らかにしている17)。アルミニウム合金の中でも水素脆化感受性が比較的高い7075アルミニウム合金(超々ジュラルミン)ノッチ材に対して水素チャージを行い、亀裂の発生と水素放出とを対比させた結果を図2に示す。亀裂の発生とともに水素が検出され、亀裂の伝播と破面形成の過程でさらに顕著な水素放出ピークを示すことを明らかにしている。この際の水素分子イオン電流値を元に亀裂発生点で図1質量分析計と高速度マイクロスコープを備えた超高真空材料試験装置(模式図)17)図2水素チャージした7075アルミニウム合金の脆性破面からの水素検出17)UYEMURATECHNICALREPORTSNo.79.2020構造金属材料の表面から放出される水素の検出法5
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