テクニカルレポート79
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NGモードOKモード123No.1処理工程No.2No.3No.4従来プロセス(アルカップ®MDP)新規プロセス(アルカップ®MCA)処理を行った。めっき処理プロセスは表1に示した通りに行い、電気銅めっきはスルカップⓇEVFを用いて25µmめっきした。接続信頼性評価後のBVH断面を光学顕微鏡で観察した結果、すべてのBVHで図4に示す合格(OKモード3、BVH内層銅ごと破断)であり、接続信頼性は良好であった。3.4BVH内めっき析出性アルカップⓇMCAを用いた新規プロセスによるBVH内めっき析出性の評価を行った。基材は接続信頼性試験と同じABFGX92にφ30µmのビアを形成して評価板とし、基材のRaが0.3µmとなるようアップデスⓇプロセスによるデスミア処理を行った。めっき処理プロセスは表1に示した通りに無電解銅めっき後の水洗工程まで処理を行った。BVHの断面観察はイオンミリングIM4000〔(株)日立ハイテクノロジーズ〕によって仕上げ研磨した後、走査型電子顕微鏡(SEM)SU3500〔(株)日立ハイテクノロジーズ〕を用いて観察した。新規プロセスと、比較例として従来プロセスによりめっき処理して得られた断面SEM像を図5に示す。新規プロセスによりめっき処理したBVH内めっき析出性は、従来プロセスと同様にBVH表面とBVH底部の膜厚差が少ない良好なスローイングパワーが得られていることを確認した。3.5アルカップⓇMCAの起泡性水平または垂直方式の連続搬送装置では液攪拌が激しいため、起泡性が低く消泡性の高い処理液が望ましい。そこで、図6に記載の方法により従来プロセスで使用する製品アルカップⓇMDPとアルカップⓇMCAの起泡性評価を実施した。評価結果を図7に示す。アルカップⓇMCAはアルカップⓇMDPよりも低起泡性かつ高消泡性であり、水平または垂直方式の連続搬送装置で問題なく使用可能な製品である結果を示した。図4BVH内の接続信頼性評価後の破断モード例図5BVH断面SEM像UYEMURATECHNICALREPORTSNo.79.2020酸洗添加剤「アルカップⓇMCA」を用いた微細配線対応無電解銅めっきプロセスの紹介29

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