工程を同一のラインで使用が可能であり、微細なNi腐食を抑制可能とする無電解ニッケル浴として「ニムデンⓇNPR-15」を紹介する。2概要2.1処理工程処理工程は通常のENEPIG工程と同様であり、下地に適した前処理、無電解Niめっき(以下EN)、無電解Pdめっき(以下EP)および無電解Auめっき(以下IG)の構成を紹介する。表1に一般的な工程例を示す。ニムデンⓇNPR-4、アルタレアⓇTPD-30(ver.MW)およびゴブライトⓇTWX-40は、すでに工業化されているENEPIG工程用めっき液である。ナノムーバーⓇLPG-12はSR溶出対策の前処理液、アクセマルタⓇMSN-7は微細配線に対応のPd触媒付与液、アルタレアⓇTPD-35(ver.MZ)はThinNiENEPIG用途向けとして最適化された無電解Pd-Pめっき液である。2.2使用条件従来浴であるニムデンNPR-4およびニムデンNPR-15の使用条件を表2に示す。ニムデンNPR-15は、従来浴と比較して使用条件がほぼ同じとなり、既存設備を流用して生産できるメリットがある。Ni-P皮膜中のP量も従来浴と同等の設計としている。3皮膜特性3.1被覆性評価ThinNiENEPIG工程において、Ni腐食が発生するメカニズムの模式図を図3に示す。下地Cuに対するEN皮膜の被覆性が十分でない場合、次のEP工程でも被覆性が十分に得られず、最後のIG工程によって局所的なNi腐食が発生すると考えられる。また、下地Cuの局所的な露出はEP浴における均一な還元反応に影響を及ぼし、膜厚均一性の低下が懸念される。そこで、EN皮膜の被覆性に着目して開発を行った。被覆性の評価方法として、図4に示すテスト基板に対しENおよびEP工程の処理時間を変化させ、各処理工程薬品名処理温度(℃)処理時間(min)ThinENEPIGNormalENEPIGプレリーチングナノムーバーⓇLPG-12602020クリーナークリーナーACL-7385055ソフトエッチング過硫酸Na100g/L2511酸洗10%H2SO4R.T.11プレディップ3%H2SO4R.T.11アクチベーターアクセマルタⓇMSN-73022ニムデンⓇNPR-4801.535無電解ニッケルめっきニムデンⓇNPR-15771.38335無電解パラジウムめっきアルタレアⓇTPD-30(ver.MW)501111アルタレアⓇTPD-35(ver.MZ)461111無電解金めっきゴブライトⓇTWX-40801313EN浴ニムデンⓇNPR-4ニムデンⓇNPR-15処理条件pH4.64.6Temp.80℃77℃83℃析出速度ThinNiENEPIG0.15µm/1.5min--0.15µm/1.3min--NormalENEPIG--6µm/30min--6µm/30minNi皮膜中P%(wt%)6~86~86~86~8表1処理工程水洗,湯洗工程は省略表2無電解ニッケルめっき浴20
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