配線デザインSpace20μm以下SubstrateSpase40~60μmCuCuCuCu微細線化通常のENEPIG処理CuCuCuCuAuPdNi信頼性向上ENEPIG(Ni/Pd/Au=7.0/0.04/0.06μm)配線間のショートのリスクThin Ni ENEPIG(Ni/Pd/Au=0.15/0.10/0.10μm)SubstrateCuPdNiAu微細なNi腐食X-section by FIB-SEM1はじめに無電解Ni/Pd/Auめっき(以下ENEPIG)工程は、Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだ実装条件において、優れたはんだ接合信頼性およびワイヤーボンディング接続信頼性を有することが知られている1,2)。高密度プリント配線板に半導体を実装するパッケージ基板等に採用され、耐衝撃特性等を兼ね備えた高いはんだ接合信頼性が必要とされるモバイル機器向け市場において広く実用化されている。しかし、電子機器の小型化・高性能化・高機能化に伴う要求の高まりから、さらなる高密度化が進み、回路の微細線化や狭ピッチ化が必要とされる。通常のENEPIG工程では5~8µmのNi膜厚であるため、配線間距離(L/S=20µm以下レベル)の狭小化によって、配線間がショートして回路の絶縁性保持が困難となる(図1)。微細配線を有する基板に対応できる最終表面処理工程の1つとして、ENEPIG工程のNi膜厚を薄く制御する無電解Ni/Pd/Auめっき(以下ThinNiENEPIG)工程があり3)、優れた皮膜特性を有したままNi膜厚を薄くできる技術が確立され4)、すでに工業化されている。しかし、通常のENEPIGと同じ薬液をそのまま適用して、Ni膜厚を薄くする場合、特定の基板上において、Ni層中に微細なNi腐食が発生するリスクがあり(図2)、広く普及を進めるための懸念材料と考えられた。そこで、標準的なNi膜厚のENEPIG工程と、薄いNi膜厚(0.15µm程度)のThinNiENEPIGThinNiENEPIG工程対応無電解ニッケル浴ニムデンⓇNPR-15の紹介中央研究所第1開発部柴山文徳図1配線の微細化図2微細なNi腐食の発生UYEMURATECHNICALREPORTSNo.79.202019
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