テクニカルレポート79
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地上1年目軌道上1年目光学像SEM像500倍光学像SEM像500倍パラキシリレン系パラキシリレン系パラキシリレン系パラキシリレン系未コート未コートウレタン系ウレタン系カの成長はなく、ウィスカ抑制効果が確認された。なお、製造時に真空蒸着でコートしている関係から厚さは均一(約25µm)で隙間などはなく、外観上の変化が最も少ない結果であった。ウレタン系コート領域での比較結果:地上1年目と2年目および軌道上1年目共に、コートされている箇所ではすずウィスカの成長がないことが確認された。ただし、製造時に刷毛塗りでコートしているため、厚さが不均一(数µ~数十µm)であり、数百µm2程度の範囲で微小な未塗布箇所があり、この部分に地上1年目と軌道上1年目共にSEM観察ですずウィスカが確認されている。ウィスカ抑制対策としての評価課題(確実に塗布されているかの検査)がある。また、地上1年目におけるウレタン系コート皮膜の酸化等による黄色変化は、真空下の軌道上の実験試料では確認されていない。5.3真空環境におけるウィスカ形状の特徴地上の真空環境と軌道上のウィスカではすずウィスカ根元の酸化膜による粒界割れはほとんど見られていない。図8に軌道上のすずウィスカの断面観察を示した。地上の真空環境のすずウィスカと比較すると、軌道上のすずウィスカは長さや形状に違い(軌道上のウィスカの方がより直線的で、細く長い)があり、真空以外の影響を受けていると考えられる。5.4結晶粒形の変化と試験環境との関係結果すずめっき時の結晶成長抑制剤の添加の有無において、結晶の大きさが異なり、抑制剤を添加した皮膜では地上環境と軌道上環境の両者において経時による変化が非常に少ない結果を示した。一方、抑制剤を添加しない皮膜では、経時による変化が大きく、軌道上環境と地上環境での粒形に差が生図7各領域の表面画像比較(試験片③:42alloy+Sn)未コートの赤矢印箇所がすずウィスカ成長箇所,ウレタン系のSEM観察箇所は厚めに塗布されており凹凸等はない.14

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